2010年11月22日月曜日
増崎先生壮行会
当院にも2005年10月から2006年3月まで在籍した増崎亮太先生が、BostonにあるHarvard Medical Schoolに留学することになりました。10月1日の新たな門出を前に、東京大学消化器内科肝臓グループのメンバーを中心として壮行会が開かれました。
増崎先生は、佐賀県出身で佐賀医大病院で研修後、東大大学院を卒業しました。持ち前のフットワークの良さで仕事を次々にこなす一方、甘いマスクで当院にいた時は”杏雲堂のヨン様”とあらゆる年齢層の女性から慕われていました。渡米しても是非頑張って欲しいと応援しています。
To provide extraordinary care, where the patient comes first, supported by world-class education and research. これは増崎先生の留学先 Beth Israel Deaconess Medical Center のミッションです。これは正に”間口三間のパン屋さん”と同じです。
間口三間のパン屋さんとは、例え間口三間しかない小さなパン屋さんかもしれないが、このパン屋さんには、最高に美味しいパンを売っているので行列が出来ている。なぜ最高に美味しいパンが作れるのか?日夜、店の裏では、酵母の研究や焼き方の研究をしているからだ。うちもそれを目指すんだ。
最高の医療は、たゆまぬ研究と教育の上に成り立つことを、小俣教授から教えて頂きました。
お祝い
本日6階病棟の看護師さんが結婚式を挙げました。齢を重ねたせいか(まだまだ若いと思っているんですが)職場上司という立場で祝辞を述べさせて頂く機会が増えました。今回も素敵なカップルの誕生です。
病棟で苦楽を共にしてきたスタッフの門出です。まるで花嫁の父のような心境で・・・「頑張れよ、幸せにね、困ったことがあったら何時でも相談にのるよ」 っていう気持ちをこめてスピーチしました。
いつも思うのですが、結婚式は、二人の愛、家族愛、友情と、愛に満ち溢れ、参加者全員が幸せになれる最高の日ですよね。幸せと感謝を忘れずにね。決して一人で育ったわけではなく、両親をはじめ、いろいろな人々が支えとなって、今日の晴れやかな日を迎えられたのです。全ての人の愛が、社会に広がって、争いのない、愛に満ちた平和な世界を実現したいですね。みんなの力で。これが僕の祝辞のエッセンスです。
2010年10月18日月曜日
ILCA その4
ILCA最終日、いよいよ本日、僕の出番です。学会の初日が発表だと気が楽になって、観光でもしようかと誘惑に駆られるでしょうが、よくしたもので閉会式の直前が発表なんですよね。
仕方なく朝も暗いうちから、プレゼンの練習をして本番に備えました。

部屋から見たモントリオールの朝焼けです。
いよいよ本番です。IFN+5FU動注の有効性について、世界中から集まった肝癌専門医の先生方に解かって頂けるように、一生懸命発表しました。
このスライドは、インターフェロン併用5FU動注化学療法を行った649例の進行肝細胞がんの患者さんを解析した結果から得られた知見を示しています。抗がん剤の一番の問題点は副作用ではなくて(実際本治療においてはほとんど問題になりません)、人によって効果が分かれてしまうことです。
決して全員が同じように効くわけではないのです。ですからどのような人にやれば最も効果を発揮するのか?その問いに対する答えを見つけて証明したのです。
日本の学会と違い、討論は活発で時に激しいのですが、発表が全て終わると暖かい拍手に包まれます。拍手に包まれ演台から降りるとき、ジワーっと、発表して良かったなと充足感に満たされました。
さて、学会も無事に終わり、午後は自由です。明日のフライトは午前7時ですから、朝5時にホテルを出れば間に合います。
やっと、街に出られます。 モントリオールの街中を散策しましょう。
ホテルの西側 山の手方面です。
今日は日曜日でしたね。東京よりも季節は先取りして、日差しは強いですがもう秋の気配です。ちょうど遅めのランチ時間です。ワインを片手に、談笑しています。夏の名残りである日差しを皆で楽しんでいるようです。地球温暖化と東京の灼熱で敬遠されがちですが、太陽の恵みに感謝!ですね。
街の北東に進路をとると、旧市街にでます。そこには1829年に完成したノートルダム大聖堂があります。荘厳な建物で圧倒されます。見上げるようにして撮った一枚です。
そのまま石畳を東に下ると旧港があります。今は市民の憩いの場とイベントスペースになっているようです。奥に停泊しているのは船です。黄色いのが煙突です。

カナディアン・パシフィック鉄道の貨物線が草に埋もれながらいい味を出しています。右側は廃線跡のようです。


古い石造りの旧市街をみながらホテルに戻ります。ちょっと天気が悪く肌寒いのと今にも雨が降ってきそうな天気になってきました。急ぎ足でホテルに戻りました。
ILCA その3 -Silent tribute-

9月11日土曜日 ILCAは、昨日から開催中です。演題は、細胞内シグナル伝達系とそれらに対する分子標的約の開発と臨床試験のオンパレードです。
がん細胞は、増殖や分化(細胞の成熟度のこと、一般に成熟しているほうが正常細胞に近く性質が良い。反対に未成熟だと正常の細胞からかけ離れ性質が悪い)を繰り返し成長していきます。
この細胞の増殖や分化は、細胞内の分子が次から次へリレーのバトンを渡すようにして情報が伝達され、最終的に核という総司令部に届き運命が決定されます。この経路をシグナル伝達系といいます。
この伝達系は、いくつもあるのですが、リレーのバトン(分子)を遮断して細胞の増殖を抑えたり、細胞を死に至らせる、これが分子標的薬(バトンを狙い落とす)です。
従来の細胞を毒で傷害させる抗がん剤とは異なる、理論的裏付けがしっかりした新しいタイプの抗がん剤なんです。世界の巨大製薬会社が開発に凌ぎを削っているので、学会でもホットな討論が繰り広げられているのです。
ただし開発には巨額の投資が必要なため結果として分子標的薬は驚くような高価な薬となってしまうのが残念なところです。
しかし、人類の英知を集め研究が進んで、癌が撲滅される時代が近づいています。分子標的薬の登場は、歴史に残る節目であることは間違いなく、その現場にいられる幸せと緊張感に包まれた学会です。
学会開始前の会場 これからこの場で熱い討論が行われます。
ステージと演題です。僕の出番は明日です。従来の抗がん剤(5FU)を使った治療は、原始人の治療だと、他の研究者が、マンモスを追う原始人のイラストをスライドにして熱弁していました。副作用の少ないIFN+5FU動注をどこまで、ここでアピールできるか?試練です。
学会1日目が終わり、10人ぐらいで地元に留学している方の紹介でイタリアンレストランに入りました。お店は学会上から徒歩10分ぐらいにあるIl Campari Centro' です。お店の雰囲気もよく料理も美味しかったです。やっぱり大人数で食べると、会話も弾むし楽しいですよね。
ホテルに戻ると、今日が September 11thであることに気付きました。アメリカ同時多発テロから9年が経ちました。どのチャンネルも特集番組を放映していました。原因は何であれ、暴力では物事は決して解決しません。過去の歴史が教示しています。憎しみの連鎖にしかなりません。
本来、人々を救うはずの神々(宗教)のために、生身の人間が傷つけあう、あまりにも愚かです。テロの報復で、イラク、アフガニスタンで争いが絶えません。”決して暴力は解決策になりません”世界で唯一の被爆国(テロと戦争の違いはあっても広島24万人、長崎14万人が亡くなっています)として、全ての暴力の愚かさを、世に訴えていくべきです。
1969年6月、平和を訴えたパフォーマンスが、ここ、モントリオールのクイーンエリザベスホテル(フェアモントホテル)で行われました。"John and Yoko's bed-in"です。
奇しくも、9月11日の夜、クイーンエリザベスホテルに宿泊しながら平和について考えることが出来て幸せです。John の言葉です。War is Over! (If you want it!)
戦いの犠牲になった全ての人々に黙とう
ILCA その2

9月10日金曜日 現地時間は9月9日木曜日夕方
ワシントンで乗り換えてモントリオールに辿り着きました。今回は、発表するので自分へのご褒美ということで贅沢をして、学会場であるフェアモント・ホテルに宿泊です。
地下鉄中央駅に直結していて、地下のショッピングモールにも直ぐ行けるので非常に便利です。早速トランクを部屋に置いて、夕飯の買出しに行きました。本当はいけないんでしょうけど・・モールで仕入れた、エッグサンドウィッチとフルーツカクテルにワインで乾杯です。
サンドのラベル egg の e と書いてあります。解りやすい?
安くて美味しい、しかもスクリューキャップ。
長旅の疲れを取って明日から学会です。
ILCA その1

何故かと言うと大きく分けて二つの要因があります。一つは、手技が煩雑(慣れればたいしたこと無いのですが・・)で海外の先生が真似できない。もう一つ、実はこれが最も大事なのですが効くというエビデンス(証拠)が無いと(海外の先生は)いうのです。私達も論文を出しているんですけどね・・
ですから、何で日本人は動注なんてやっているんだ、理解できない。と言うのが海外の常識です。
特にILCAを仕切っているスペイン・バルセロナ大学のJordi Bruix(ブリューシュ)先生らが声を大にして言っているのみならず、日本の肝癌診療ガイドラインにもケチをつけてくるから困るんです。
だったら、学会で発表してやるよっ!って大和魂に火がついたわけです。動注も上手くやれば(対象とやり方、引き際を誤らなければね)効くんです。
本邦の動注化学療法の成績を海外で、しかもBruix先生のお膝元ILCAで発表しなければ・・・
宿命の対決です(ちょっと大袈裟?)。
今年のmeetingは、約400題の演題応募があり、そのうち35題が口演に選ばれます。幸か不幸か、口演に選ばれました。よーし、選んでくれてありがとう、敵ながら殊勝な心掛けよのう って感じでしょうか。
唯一の不安は、いつも海外の学会では、殿がいてくれたのですが、今回は私一人です。頑張るしかありません。
「いいかっ、英語が下手なんだから、スライドにしゃべらすんだ。あと聴衆に見ていただくんだから大きい字で解かり易く、飛び込んでくるスライドを作らないと、みんな寝ちゃうぞっ」
殿の声が聞こえてきそうです。スライドを作り、発表の練習もしました。
いつもの空港内すし屋で景気をつけて、いざ出陣です。
静岡 よろず 勉強会
静岡の伊東先生が幹事を務めている臨床(患者さんの病状の経過)と病理(肝生検などで得られた組織の形態や生化学、免疫、分子生物学など)を結び付けて病気の本質を学ぶ会です。
当日のパンフレットです。
土曜日の午後、各地の病院から、いろいろな肝疾患の患者さんの病歴と臨床経過そして肝生検のプレパラートを持ち寄って討論します。普段、肝臓といってもほとんど肝細胞癌しか診ていない僕にとっては、非常に勉強になります。教科書ではない一例一例で、患者さんと主治医の歩んだ道ですから、非常に役立ちます。 やっぱり経験してナンボの世界ですからね。
明日も静岡で勉強会があるため、今夜は静岡に宿泊です。伊東和樹先生をはじめ、勉強会に参加した日本各地の先生方と、恒例の河太郎での親睦会にでて夜は更けていきました。
9月5日 日曜日 第1回 肝疾患総合治療懇話会に参加して
昨日に引き続き静岡です。朝、駿府城址の駿府公園を一周してきました。家康が秀忠に政権を譲渡して隠居していた頃は荘厳ある天守閣が建っていたそうです。
今は、その面影はありませんが、お堀が(たぶん)だいぶ縮小され残っています。さて、今日は肝疾患について、さらに気軽に、しかもホットな討論ができる会を創設しようと、再び、静岡の伊東和樹先生の呼びかけで開催されました。
病気だけじゃなくて、診断や治療の礎となる 解剖・生理・ウイルス・免疫 など基礎医学も含めて勉強しようという会です。会の名前は’肝臓よろず勉強会”となりました。
お互いの自己紹介も兼ねて専門分野の講演をコンパクトに行いました。
その後、静岡駅前に新しく出来た葵タワーの最上階にあるレストラン ウ゛ォーシエルで 、みんなでランチを頂き解散となりました。
このレストランは25階にあり、周囲にこれ以上高い建物がないので、見晴らしは最高でした。さながら現代の天守閣のようです。家康もこの景色を見られたら、さぞ驚くでしょうね。

驚くと言ったらもう一つ。新幹線が静岡駅を出発してすぐ、右手に巨大なガンダムが現れました。後日、伊東先生から頂いた写真も載せておきます。
