2014年2月5日水曜日

学生実習 その2

みなさん、こんにちは。

いかがお過ごしですか?

学生実習の続きです。

1月31日は、帝京大学ちば総合医療センターで学生実習のお手伝いを行っています。


今回は久しぶりに車で、千葉に向かいました。
この日の海ほたるは風もなくポカポカ陽気。

 帝京ちば総合医療センターには、中村文隆教授と東郷剛一准教授がいらっしゃいます。大学病院時代に大変お世話になった先生方です。お二人のお力添えで、母校で後輩を教える機会を与えて頂きました。

 帝京大学医学部5年生の病院実習は5-7人の小グループに分かれて行われます。病院実習の期間中には時々クルズス(Kursus ドイツ語)と呼ばれる講習があります。僕は、肝臓のクルズスを担当しているのですが、病院に来てまで講義では学生がつまんないだろうと思い、普段、大学の講義にはない取り組みをしています。


その一つが、医師国家試験対策講座です。
国試の勉強の仕方や試験に対する心得を、
国試対策委員であった経験を活かして教えています。

そしてもう一つが、腹部超音波講座です。
超音波の実習ではお互いに”やりっこ”して、腹部臓器を診てもらいます。
上の画像はイメージです(笑)


 当たり前ですが、医師国家試験に合格しないと医師になれません。医学部で学んだことの総決算が国家試験といっても過言ではないでしょう。

 結局は勉強したか否か、なんですが、物事にはやり方ってモノがありますよね。それを教えています。内科は、本院と2つの分院で分担しているのですが、過去3年、ちば総合医療センター組が最も合格率が高いんです。

昨年の例です。問題用紙360枚、問題数500題です。
”トライアスロン”のような試験です。

その医師国家試験が、今週末から3日間かけて行われます。


 この週末から、3日間の試験を受ける教え子のみんなへ

あと少しだぞ!自分を信じて力を出し切ること。

体調管理は大切 だぞ! 医者の重要な資格の一つです。うがい、手洗い、水分補給、充分な睡眠が大切ですよ。

幸運を祈っている。3月18日には無事合格して、4月から一緒に働こうぜ!




帰路の海ほたる。ちょうど夕日が沈み、富士がシルエットになっていました。

2014年1月29日水曜日

学生実習 

みなさん、こんにちは。

いかがお過ごしですか?

 今日は、東京大学医学部4年生 (M2) の病院実習でした。

 医学部は6年制です。最初の2年は教養課程で見識を深めて、3年目からの専門課程で基礎医学と臨床医学を4年間みっちり学ぶことになっています。しかし習得する知識や技術が増えてきていることや、医師国家試験の時期が早まった(僕の頃は卒業してから試験、合格発表は5月の連休過ぎ、仕事始めは6月1日でした。)こともあり、教養課程と専門課程の区切りが無くなりつつあります。良い意味での6年一貫教育です。

 大学病院は高度な医療を提供していますが”医学部付属病院”と名前が示すように、学生の指導も重要な使命です。

 大学病院の学生実習は、クリニカル クラークシップ (Clinical Clerkship) というシステムで行われています。これはただ見学するだけではなく、学生が医療チームの一員として実際の診療に参加して、実践的な臨床能力を身に着けさせる”参加型”の実習を目指しています。

 クラーク(Cleark)とは、一般に事務員を意味しますが、もう一つ店員という意味もあります。学生が医師の指導の下で、クラーク(店員=現場の第一線を受け持つ)として、患者さんを受け持ちながら、実際の医療を習得することができます。患者さんにも協力して頂くわけですから、学生も自らの主体性と責任感を持って学ぶことが求められます。

 当院は外部病院実習(半日)の一端を担っていますので、今回は3名の学生さんを担当しました。大学と比較して、病気が進行した患者さんが多いのが当院の特徴です。入院中の患者さんに協力して頂き、腹水や黄疸、浮腫など肝臓に関連する症状の所見の取り方、コミュニケーションの取り方などを短い時間ではありますが、一緒に学んでいます。



 さらに、医療費の問題や過疎地の医療、そして自分が病気になったらどうして欲しいかを、一緒に考えてもらっています。今週は、金曜日にも帝京大学で学生実習を担当します。

 若者たちが自分で考えながら成長する姿をみるのは、とても楽しいです。でも、そういう年齢なっちゃったかなぁって・・・まだまだ、ねっ。

2014年1月26日日曜日

インフォームド・コンセントとムンテラ

みなさん こんにちは
いかが お過ごしですか?

 さて、今日は"I. C."について、お話をしましょう。


 別に僕の考え方を押し付けるつもりは毛頭ないので、そうは思わないよっ ていう人がいてもいいんです。だから世の中面白いわけで・・・


"I. C."って言葉聞いたことありますか?


 病院で、最近、う~ん、この10年ぐらいかな?(少なくとも僕が医者になった頃は説明とムンテラでした)欧米から日本に入ってきた言葉です。「先生っ! ○○さんが、IC希望していますよ」ってな感じで使われますが、これは誤解だと思うんですよね。"I. C."は、informed consent の略語です。




"I.C."とは、直訳すれば、正しい情報を得た上での合意っていう意味です。特に医療行為(検査や手術など)を受ける際は、利点や欠点(合併症など)良く説明を聞いてから、検査や治療に納得してもらうわけです。当然、手術など治療の根幹にかかってくる内容であれば、一人の先生だけではなく、他の先生の意見も聞いた方が良い場合もあるでしょう(これはセカンド・オピニオンって呼ばれています)。


 正しい情報を得た上で、検査や治療を受けるのも、受けないのも、患者さんの自由ってことになっています。まあ、いかにも米国(ギスギスした訴訟社会)らしい考え方ですが・・・




 この"I.C."っていう言葉 だけが一人歩きして、全てが"I.C."で片付けられるのが納得できないんですよね。僕は。


 例えば検査とかであれば、I.C.で良いと思うんです。でも、病気についてはどうでしょう?


誰もがなりたくて病気になった訳ではありません。「何で僕が?」 「なんで私が?」当然の思いだと、思います。病気は全て治るわけではありません。治らない病気にかかったら、なおさらでしょう。


僕が病気になったら、病気を受け入れられるかなぁ?って思っちゃうんです。たぶん無理だろうなぁって・・・。


 自分が出来ないことを、人に押し付けたくないんです。だから病気そのものや、病状については、I.C.っていう言葉はフィット(合わない)しないんです。僕だったら、いくら説明されても、同意できないでしょう(ひねくれていて、すいません)。ですから、ここで必要な言葉が”ムンテラ”なんです。


 ムンテラとは、ムント・テラピーの略語です。ドイツ語で口のことをムント、テラピーは治療ですね。

旭中央病院時代の恩師である浅田学先生が教えてくれました。「小尾サン、知ってるかぁ?ムンテラってどういう意味か。」「ムント・テラピーだよ。ちゃんと言葉で治すんだよ。」っておっしゃっていました。

 病気になったとき、「何で俺が・・・」ってなった時、仕方なく、病気を受け入れなければならないんだと思います。とても納得はできない、でも仕方がない・・・そんな感覚でしょうか?仕方がないながら受け止める。そうしないと前に進まないから・・・。そのお手伝いが”ムンテラ”だと僕は思います。

2014年1月25日土曜日

第9回日本肝がん分子標的治療研究会

みなさん こんにちは
いかがお過ごしですか?

1月22日水曜日には、肝硬変における体液貯留フォーラムという研究会が開催されました。以前杏雲堂病院で一緒に働いてくれた大木隆正先生(現三井記念病院 消化器内科)が、講演してくれました。


 また、特別講演では浮腫とアクアポリンについて、東京医科歯科大学腎臓内科の佐々木成先生が講演してくださいました。細胞の不思議に迫る興味深いお話でした。またここでも内容を紹介したいと思います。

1月24日金曜日、ミーティングがあり Shez Inno に行きました。現代の名工である井上旭シェフが創るお料理を堪能しました。


そして今日25日、第9回日本肝がん分子標的治療研究会が東京で開催されました。分子標的薬とは、細胞のシグナル伝達分子(指令)を阻害(邪魔する)する薬です。現在肝臓では、ネクサバールだけです。



今回の会長は、東大病院時代から現在でも大変お世話になっている、高山忠利先生(現 日本大学 消化器外科)です。高山先生のお蔭で共催シンポジウムで発表させていただきました。

門脈腫瘍浸潤症例へのソラフェニブ開始時期について発表させて頂きました。




その後過門香 上野バンブーガーデン店で、大学病院肝臓グループの新年会に参加しました。希望に満ちた若い先生達と会って、楽しかったです。飲み放題プランだったのですが、ここのソフトドリンク、マンゴージュースにココナッツミルク、既製品なんだろうけどとっても美味しかったです。

2014年1月21日火曜日

試作中? 試食中?

みなさん こんにちは
いかがお過ごしですか?

先日の続きで、アミノ酸製剤の服用について、いろいろ試案しています。
食べ物に混ぜて美味しく服用しちゃおうっていう企画です。

どうやら苦味を消すより利用した方がよさそうです。

生チョコ カカオの苦味と合って大人のスイーツって感じです。言われなきゃ、リーバクトが入っているかわかんないです。

ワインゼリー 苦味を生かしてワインと合わせました。これは、ワインの香りも楽しめます。

オレンジ・マーマレード 今回最も衝撃を受けた組み合わせです。見た目は悪いですよね。黄色いツブツブはリーバクト顆粒ですからね。でもこれが結構いけるんですよね。ウソみたいでしょ。


ヨーグルトに混ぜて 上のマーマレードをヨーグルトに入れてみました。悪くないですよ。

カレー パルメザンチーズをふりかけたように白くなっているのが、リーバクトです。ちょっと苦味スパイス(リーバクト)を混ぜて、味に奥行を持たせました。

抹茶マフィン マフィンは好評です。とても薬(って言ってもアミノ酸ですが)が混ぜ込んであるなんて思えないですよ。このふくらみ加減がいいのかな?

番外編 お好み焼き これはやり過ぎかなぁ?でも出来立てで美味しかった。

みんなで楽しんじゃっています。
職員健診近いのに・・・体重、大丈夫か?(笑)

2014年1月20日月曜日

どうなるやら その3 ウイルスの特徴

みなさん、こんばんは。
いかがお過ごしですか?
今日はウイルスの特徴、他の生物との違いについてお話しましょう。
ウイルスは、ヒトなど他の生物の細胞にとりついて、自分のコピーを作れるとっても小さな(1億分の1m位)構造体です。基本構造は不完全な遺伝子をタンパク質の殻で包んだ恰好をしています。


 全ての生物は、細胞を基本構造として、自分自身で生きて増殖できます。ですから自身の細胞を持たないウイルスは、生物とは言い難いわけです。でも自身の遺伝子をもち、他の生物(宿主)を利用して増殖するウイルスはまるで生き物ですよね。ウイルスに感染された宿主は体調を崩します。ウイルスが病原体である理由はここにあるんです。

 生物の最も基本的な構成単位である”細胞”は、細胞膜によって外界と隔てられています。内部にはエネルギーを生み出す経路(生命維持装置)を持っていて、さらに自己複製するための遺伝情報と発現装置が備わっているんです。


 細胞が持つDNAは塩基配列(暗号)が並ぶ構造を持っています。この暗号をメッセンジャーRNAに転写して、リボゾーム(工場)に運ばれて、暗号に基づいてアミノ酸が合成され、タンパク質が作られるんです。

このように、細胞を構成単位として、エネルギー生産、自己増殖できるものを”生物”と呼んでいます。
ウイルスは細胞を持たない、つまり自分でエネルギー生産できず、自己増殖できないという特徴があります。

ウイルスは、宿主が必要なんですね。

次回はさらにウイルスの増殖に迫ります。

2014年1月19日日曜日

ウイルスの特徴 番外編

みなさん、こんにちは。
いかがお過ごしですか?

今日は、ウイルス関連で、現在猛威をふるっている”ノロウイルス”についてお話しましょう。



先日、静岡県浜松市で給食から大勢の児童に感染しましたね。


 正確には、ノロウイルス属ノーウォーク種です。1968年にアメリカ合衆国 オハイオ州のノーウォークにある小学校で集団感染した急性胃腸炎患者から分離されました。

 口から体内に入り、十二指腸や上部小腸の粘膜に感染し、下痢や嘔吐を引き起こします。通常1-2日で治まりますが、吐物で誤嚥したり窒息することもあるので注意が必要です。

 ウイルスは30nm (1nm=10億分の1m) ほどのとても小さな物体です。


ノロウイルス属ノーウォーク種

驚くべきことは、感染力の強さとウイルスのしぶとさです。乾燥した状態でも約2か月感染力を保ちます。また症状が治まっても1週間から1か月は糞便からウイルスは排出されます。

吐物を拭いても、ウイルスは生き残り、その場所が乾燥すればウイルスは空気中を飛び交いヒトに感染します。トイレのサンダルでも理屈は同じです。

消毒用アルコールは、ほとんど効きません。ですから一般的なブシュブシュではダメです。塩素系の消毒液が有効です。消毒薬の作り方は以前お話したとうりです。

よーく流水で洗い流す、基本的な手洗いが大切なんです。


うがい手洗いを励行し、しっかり予防しましょうね。