2010年1月3日日曜日

あけましておめでとうございます。

平成21年 寅年

 新しい年の始まりです。我々肝がんの領域では、昨年はネクサバールという抗がん剤が登場しました。今年はミリプラという抗がん剤が新たに登場する予定です。医療に携わる全ての人々の弛まぬ努力が、明日の生きる希望を繋ぎます。朝日に負けないぐらい輝く一年にしたいと思います。

 
 初詣でいくつか神社を参拝しました。皆様が元気で長生きできるようにお祈りしてきました。
今年は日本経済も立ち直って欲しいという願望も兼ねて、伏見稲荷にお参りしました。
写真は病気平癒守です。今年も、精一杯生きましょう。





2010年1月1日金曜日

肝臓いきいき教室

12月18日 ”肝臓いきいき教室” を栄養科の皆様のご協力によって開催しました。テーマは「年末年始の食事について」です。参考にして下さい。
ブログ掲載が遅くなってしまいました。次回から各季節ごとに食事のレシピを掲載したいと思います。



    肝臓病教室
年末・年始の食事について

Q1.食べ過ぎては何故いけないのでしょうか?

A   肝臓は働き者でいろいろな仕事を引き受けています。

* 食べ物に含まれる栄養素糖質・蛋白質・脂肪を体に利用できる形に作り直します。
* 血液を固まらせる凝固因子を作ります。
* 壊れた赤血球からビリルビンを作ります。
* 薬物、アルコール、毒素、など体に入ったものを体にとって無毒なものにします。
ですから、肝臓の働きが鈍くなってしまうと体のバランスが崩れ体に影響が出てきてしまいます。
Q2.塩分はどうして控えるのでしょうか?

A   肝臓は、〈アルブミン〉というたんぱく質を作ることにも関わっています。


 血管の中に水を引き込む力を持っている〈アルブミン〉は肝臓が悪くなると、作れなくなり引き込めなくなって水がおなかの所にたまって圧迫します。 これが腹水です。
腹水があると圧迫して食欲もなくなってしまいます。 利尿剤の効力も弱くなります。 利尿剤は尿を出すのではなく、塩分を体の外に出すものなのです。
 塩分を出しているのに、塩分を多く取っていては無駄になってしまいます。
肝臓は沈黙の臓器と言われています。 少し働きが鈍くなっても痛みなどはありません。
大丈夫を思ってそのまま無理を続けてしまわない様に注意しましょう。


肝臓を守るためには、食事を選びながら
バランスよく食べることが大切です。

というわけで、栄養科の皆さんが考えてくれた年末年始のメニューです。参考にされてはいかがでしょうか?何をどの位食べると良いのかという目安なので、作り方は料理の本を参照して下さいね。

のメニューです。
これでなんと670カロリー 塩分2.3g 蛋白28.3gです。

パン 2個 ステーキ 2切れ 温野菜 3種 サラダ 1皿 ポタージュスープ
ケーキ 1個 紅茶 1杯


食べ方のポイント
肉はステーキで二切れ、鶏の唐揚げなら2個
サラダは野菜なのでたくさん食べてもOK
ケーキの大きさは豆腐1/4丁
塩分を制限している方
ドレッシングはスプーン1杯スープはカップに半分位の量

【作り方】 まず材料を揃えます。今回は4人分を目安にしました。
バターロール 8個
ステーキ  油 小さじ1  牛ヒレ肉  8切(200g)  塩 小さじ1/3  黒こしょう 少々
温野菜 人参 8切  アスパラ 4本  じゃが芋 2個
サラダ  トマト 1個  カリフラワー 1/4株  胡瓜 1本  ドレッシング 大さじ2

ステーキ
① 牛肉に塩・黒こしょうをふりかける(室温にしておく)
② アスパラ・人参は茹でる。アスパラは油で炒めて、塩コショウし、人参はバターと砂糖・コンソメで調味する。じゃが芋は茹で、粉ふきにする。
③ フライパンに油をしき、両面を強火で焼き、中火にして好みの焼き加減にする。
サラダ
① カリフラワーは小房にわけ、沸騰した湯にいれて柔らかくなるまで茹でる。
② トマトはくしに切り、胡瓜は斜めに切る。


愛情をタップリ振り掛けるのは言うまでもありません(笑)

大晦日のメニュー

これでなんと塩分3.0g 650カロリー 蛋白21.4gです!

天ぷらそば1玉 海老 1尾 なす 1個 さつま芋 1個 ピーマン 1個 ししとう 2本
白菜煮浸し小鉢 フルーツ 2切

食べ方のポイント
てんぷらは全部で5個 そばは1玉、えびは1尾まで
野菜が不足しないように副菜を必ず入れます。(当院の職員食堂でも定番の白菜煮浸しです。旬の野菜はおいしくて安い!)
塩分を制限している人は塩分が多いので汁1/2に控えてくださいね。


お正月メニュー

これが塩分2.0g 366カロリーの目安です。

雑煮 お餅2個 しいたけ1個 小松菜1個 大根2個 人参1個 八つ頭1個

祝い膳 かずのこ 4分の1腹 黒豆 小15粒 田作り10匹位 みかん 1個 


食べ方のポイント
お雑煮は餅2個までで汁は少なく、野菜はたっぷりにする

【作り方】 まず材料を揃えます。今回は4人分を目安にしました。 関東風ですね。
お餅8個 しいたけ4個 小松菜1/2束 大根1/4本 人参1個 八つ頭1/8個 塩小さじ1 醤油
小さじ1と1/2 昆布1枚 削り鰹1パック

① 八つ頭をよく洗い、食べられる大きさに切ります。
② 小松菜は塩茹でにし、4cmの長さに切ります。
③ 大根・人参は型又は食べられる大きさに切ります。
④ 昆布は表面に切れ目を入れ、水7カップと共に中火にかけます。
⑤ 煮立つ直前に昆布を取り出して、火を弱めて、削り鰹を入れます。
⑥ ひと煮立ちしたら、すぐに火を止める。削り鰹が自然に沈んだら、ザルでそっとこしてだし汁を作ります。
⑦ 八つ頭を2カップ分のだし汁に入れ、竹串がスーと入るまで茹でます。
⑧ 5カップ分のだし汁を大根・人参・しいたけを入れ煮立て、
アクをとりながら弱火で10分煮ます。調味料を加え煮立てます。
⑨ お餅を網で焼き、熱湯にくぐらせてから椀に盛り付けます。
具ときれいに盛りつけ、温かくたし汁を盛り付けて、ハイ、出来上がりです。

おせちの塩分量

お醤油は大さじ1杯 2.5g もありますよ。 上の写真の分量でそれぞれ、黒豆 0.1g なます0.1g 酢蓮 0.2g 昆布巻き 0.3g 伊達巻 0.3g 数の子 0.3g かまぼこ 0.7g 松笠焼き 0.8g です。
おせちは味が濃いので注意が必要ですね。



正月のお昼のメニュー
塩分もカロリーもちょっと贅沢に、塩分3.7g 757カロリー 蛋白36.9g です。



松笠焼き1個 酢蓮4枚 伊達巻1個 蒲鉾2枚 昆布巻き2個 手毬麩2個 干し杏1個 高野豆腐の煮物2切 人参1個 ブロッコリー2個 豆きんとん4粒 なます 黒豆小15粒 お刺身3切れ
五穀ご飯 1杯 清汁 1杯


正月の夕食のメニュー

塩分3.0g 677カロリー 蛋白17.1gです。

唐揚げ2個 いんげん にんじん コーン ポテトサラダ トマト
おめでたい焼き(栄養科のセンスです。) 五穀ご飯 清汁
朝・昼と和食の時は塩分が多くなりがちです。そんな時、夕食には洋食・中華のメニューのものがおすすめです。
カレー・ポークソテー・南蛮漬・ホワイトシチュー・八宝菜などにしてサラダを加えるなど・・・工夫して下さい。

 楽しい団欒が何よりものレシピであり薬でもあります。

2010年が皆様にとって素晴らしい年になりますようにお祈り致します。



2009年11月18日水曜日

 岡本先生・戸田先生・小椋先生 お祝いの会 に参加して

11月15日 日曜日



 岡本先生(JR東京総合病院)・戸田先生(三井記念病院)・小椋先生(東京警察病院) の部長昇進・就任祝いの会が開催されました。

 大学研究室と関連施設の交流・親睦を図る目的も兼ねています。 大学病院の利点、一般病院の利点を相互補完しながら、より良い医療を目指すのが本会の趣旨です。この会を発展させて、人材育成や交流の場として勉強会を行う予定です。私どもは、視野を広く保ち医療の質を向上させる使命があります。臨床研究によって日常医療を検証し改善を図ることによって、医療が進歩するものと信じています。小さな努力でも、みんなで力を合わせて、継続することによって、いつかは”坂の上の雲”に手が届くと教えて頂きました。




写真は、会場のホテルに飾ってあったクリスマスツリーです。一足早くイルミネーションを楽しみました。

第1回 帝京市原・溝口・杏雲堂合同消化器病研究会

10月31日午後

 第1回帝京市原・溝口・杏雲堂合同消化器病研究会が開催されました。

 これは当科の佐藤新平先生が帝京市原病院と溝口病院でラジオ波治療を行っていることと帝京ちば総合医療センター病院も溝口病院も東京大学消化器内科と人事交流があることから、合同で勉強会を行い交流を深める目的で企画しました。今回は初回なので「各施設における診療の実際」というタイトルで各施設の現状と特徴を発表してもらいました。お互いに補完しあって人材育成を図るとともに刺激を与え合う良い関係を構築したいと思います。


 研究会終了後は、京葉線東京駅に隣接するトキア内のベルジアン ビアカフェ アントワープ セントラルで懇親会を行いました。週末の丸の内で楽しいひと時を過ごしました。

第34回リザーバー研究会に参加して

10月31日 土曜日



第34回リザーバー研究会が、愛知県がんセンター中央病院国際医学交流センターで開催されました。一昔前は大腸がんの肝転移に対する動注化学療法が演題の半数以上を占めていたのですが、最近は肝細胞癌の動注化学療法やCVポートといって全身化学療法用のカテーテル埋設の演題が多くなってきています。
 大腸がんの肝転移の治療として進歩した動注化学療法ですが、分子標的薬という新しいタイプの抗がん剤を併用した全身化学療法が、大腸がん肝転移の標準的治療法となったため、大腸がん肝転移の領域では動注化学療法は全身化学療法に取って代わられました。大腸がん肝転移は大腸に原発巣があり、その病変が血流を介して肝臓に転移した結果です。つまり血流に乗って既に全身散布されてしまっている状態です。そのため肝転移に限局していれば動注化学療法は効果がありますが、肺転移など全身に散布された状態では全身化学療法の方が理にかなっている訳です。
 一方、肝細胞癌は肝臓が原発でありしかも比較的転移しにくい性質があります。さらに肝細胞癌は動脈血が豊富に流入しているため動注化学療法を行うには最も適した腫瘍です。特に門脈腫瘍浸潤を伴う進行肝細胞癌は一部の切除可能な症例を除き有効な治療はありませんでした。このような症例に動注化学療法は絶大な効果を発揮します。
 今回、肝細胞癌のセッションを関西医科大学放射線科の米虫敦先生と司会させていただきました。動注化学療法で高度進行肝がんを治療して奏効した症例が報告されました。
ランチョンセミナーでは「進行肝細胞癌に対する化学療法-ソラフェニブの登場後、肝動注化学療法はどうなるか?」というタイトルで国立がんセンター東病院の池田公史先生が講演されました。海外で行われたプラセボ(偽薬)との無作為比較試験で有効性が認められた唯一の薬剤であるソラフェニブを標準治療にすべきとのことでした。確かにそうかもしれませんが、全国民が平等に最高水準の医療が受けられる本邦において、しかも肝細胞癌の診断から治療まで世界最高水準をいく本邦の実績を踏まえ、うまくソラフェニブを本邦の治療に組み込めば良いと感じました。動注化学療法の欠点は治療が奏効しない患者の予後は改善しない点にあります。約半数の非奏効例に対して早期にソラフェニブに切り替えることによって少しでも延命が図れられれば良いと思いました。奏効例はソラフェニブより延命できることは過去の検討で自明です。いずれにしても更なる検討を重ねる必要があると思います。

愛知県がんセンターのロビーに「生生流転」という彫刻がありました。
生とし生けるもの全て生死を繰り返す。その命の輝きを若い女性の姿をかりて表現された彫刻とのことです。

帝京大学ちば総合医療センターの学生講義

10月23日金曜日

 帝京大学ちば総合医療センターで1ヶ月に一度、学生講義を担当しています。医師となる心構えを中心に人間学そして医師国家試験対策など肝臓から少し離れて、私しか出来ない(しない?)講義を目指しています。講義の後半は腹部超音波の実践演習です。学生さんがお互いに腹部超音波検査を行い肝臓をはじめ腹部臓器に親しんでもらいます。
実習後は恒例(?)の質疑応答です。内科実習恒例の”質疑応答at 居酒屋さん”を聞きつけ他科を回っている学生さんも参加し賑やかでした。彼ら彼女らが明日の医療を支えてくれます。これからが更に楽しみです。

学生さんから頂いたコメントです。

先日は僕ら学生を食事に誘って頂きありがとうございました。長年いろいろな先生にご指導いただきましたが、小尾先生のように耳を傾けたくなる先生は初めてお会いした気がします。
今でも「なるほど!」と思える先生のお話を思い出します。
● 病棟で見るカルテも、ただのデータじゃないんだ。偶然見かけた生年月日も、誕生日だったら患者さんにひとこと「おめでとう」って声かけるんだよ。自分だったら嬉しいよね。
● 先生って呼ばれるからって、自分がえらい訳じゃないんだ。僕が君たち学生と楽しくお酒を飲めるのも、いま看護師が僕の目となり耳となって、患者さんを見守っていてくれるからなんだよ。
掃除のおばちゃんだって、患者さんが気分が悪いときに知らせてくれるかもしれない。そうやって、人とのつながりが最終的には患者さんの役に立つこともあるんだよ。おごっちゃいけない。大切なことだよ。

僕らも先生とお話しできて、ちょっと成長できた気がします。
また機会がありましたら、お食事にご一緒させてくださいね。楽しい時間をありがとうございました。  
帝京大学医学部 学生一同

2009年11月17日火曜日

日刊ゲンダイに掲載

10月15日 木曜日

日刊ゲンダイ 10月15日第9932号に13ページ、「がん治療 ここまでやれる! 37 」に、進行肝がんに対するインターフェロン併用5fU動注化学療法の記事が掲載されました。
 治療を受ける3つの条件、①血小板数が12万以下②総ビリルビン1以下であること③腹水がないこと、この3つの条件が奏効を得やすい条件です。