2012年9月17日月曜日

ILCA2012 



International Liver Cancer Association Annual ConferenceがBerlinで開催されました。

当科からは、河井先生, 隆久先生そして小尾が発表しました。

河井先生は、門脈腫瘍浸潤のある患者さんにおける食道静脈瘤破裂に関する検討結果を発表しました。破裂後の予後を決めるのは、腫瘍因子ではなく肝機能でした。ですから例え腫瘍が門脈に浸潤していても、諦めないで積極的に破裂予防処置をしましょう、という結論です。

隆久先生は、脳転移の解析結果を発表しました。肝癌は主に血液を介して転移します。遠隔転移の頻度では肺、骨、副腎、脳の順ですが、誰が脳転移を起こしやすいか?検討したところほぼ全例で肺転移があることが判明しました。肺転移のある患者さんは脳転移のチェックをして早期発見、早期治療に努めましょうという結論です。

私はk動注化学療法の検討結果を発表しました。動注化学療法は、抗がん剤が効くか効かないかで予後が全く違います。誰が効きやすいか検討したところ門脈に腫瘍が浸潤している、血小板数が12万以下、C型肝炎の患者さんで、腹水がない、肝外転移のない患者さんが効きやすいという結論です。



河井先生、隆久先生の演題はイー・ポスター発表です。写真のように、液晶パネルが設置され画面にタッチして、もしくはキーワードで検索して自由にポスターを見られるシステムです。比較的会場が広く、御覧のようにコミュニケーションもできます。これなら良いかも・・・


私は、幸か不幸か口演でした。口演35題中日本からは近畿大の工藤先生と私の2題だけです。日本の肝癌診療を世界の先生に解って頂けるよう努力しました。いろいろな方々のおかげで発表できました。この場をお借りして感謝申し上げます。


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