2012年1月5日木曜日

がん難民をなくす

1月4日 水曜日 仕事始め

みなさん こんにちは

”がん難民をなくす” 私たちの、今年の、合言葉です。

 現在、全てのがんは、ガイドラインが策定されています。当然、病気の進行や体力低下によって、ガイドラインから逸脱してしまう患者さんも少なからず存在します。

「標準的治療は、終わったと言われました。」

「標準的治療は、ありませんと言われました。」

 外来で時々聞く台詞です。この標準的治療とは、ガイドラインで策定された治療ということです。一発完治するようながんであれば、お互いに苦労は少ないのですが、敵も然る者、しぶとく再発するんですね。その結果として、病気が進んだり、体力が低下して、ガイドラインで策定した治療が出来なくなってしまうんですね。

 もし僕自身ががんを患っているとして、「標準的治療はありません」と言われたらどうでしょう?
「あとは自宅に居て、具合が悪くなったらホスピスはいかがですか?」と言われたらどうでしょうか?
言葉ではわかっていますが、落ち込みますよね。

困ったときこそ、病院が頼りにならなくてどうしますか?

 例えば、僕が専門としている肝臓がんの場合、多くの患者さんは肝機能の低下も伴っています。ですから、ガンだけじゃなくて、肝機能をいかに維持しながら、がん治療を行うか、というところにポイントがあります。

 肝機能を維持するためには、ガンがあることはわかっていても、がん治療を一時お休みすることもあります。今までの経験から、ガンもさることながら、肝機能が残りの時間を決めてしまうことが解かっているからです。

結局、最終的な目標は何でしょうか?

”ぼちぼち元気で長生き” だと、僕は思います。

 もちろん、病気が進行していれば、残された時間が短いことは、残念ながら確かでしょう。しかし、短いからこそ、その間、ぼちぼち元気で いて欲しいのです。そして、少しでも 長生き して欲しいと思うのです。

 たとえ 標準的治療法 が無くても、諦める必要も無ければ落ち込む必要も無いのです。むしろ 呪縛から開放された と思ってもいいんじゃないかと思うぐらいです。

 だから、「標準的治療法が無い」とか「終わった」と言われ、路頭に迷った患者さん達(いわゆるがん難民)を救いたいのです。

 幸いにも去年から、消化管担当で杉本貴史先生、胆膵担当で八島陽子先生、そして腫瘍内科には河野勤先生がサポートしてくれます。

私たちも頑張ります。患者さんを決して一人にさせないから、一緒に頑張りましょうね。


写真はそんな気持ちで、皆で詣でた 神田明神 です。

2012年1月3日火曜日

平成24年初詣

みなさん こんにちは

 毎年恒例の初詣です。”そうだ 京都、行こう” のキャンペーンにそそられ、訪問して以来、虜になりました。凛とした空気、日本文化が色濃く残っているこの時期の京都が好きで、毎年来ています。


 なかなかポスターの様な風景には出会いませんが、初詣としては暖かい方が良いですよね。今日も午前中は日差しもあり暖かく、絶好の初詣日和でした。

 早朝、お約束のジョギングです。ホテルから鴨川に出て、河川敷沿いを七条から三条橋を往復、7.3kmを1時間かけてゆっくり走りました。すっきりした冷たい空気に包まれ、鴨川のせせらぎを聴きながら、気分は最高です。特に七条から五条にかけては、遊歩道と水面が近く、川を走っている錯覚が楽しめます。

 早起きは三文の徳、混まないうちに初詣に向かいましょう。

 まずは、伏見稲荷です。
京都駅からJR奈良線で、わずか二駅。駅舎を出ると目の前が参道です。露店の準備が始まっています。トッポイお兄ちゃんお姉ちゃん達が、一生懸命、下準備で働いています。微笑ましい姿ですね。やっぱり、働く姿は美しいです。「がんばれよ」って心でエールを送りました。




 伏見稲荷の御祭神、宇迦之御魂大神は、繁栄のご神徳があります。そこで、世界経済の復活を祈願しました。

 次は、京阪電車に乗って、伏見稲荷駅から出町柳駅に向かいます。駅前から市バスに乗り換え、今出川通りを西に向かうと、北野天満宮です。

北野天満宮は、菅原道真公をお祀りした神社の宗祀であり、「天神さん」と呼ばれ、親しまれています。






私たちは難問を沢山抱えています。どうか、解決する知恵を授けて下さいと祈願してきました。


 さて、もう一度、市バスに乗って、今出川通りを東端まで戻ります。銀閣寺手前に哲学の道があります。







 銀閣寺から南禅寺に至る疎水沿いの遊歩道です。哲学者、西田幾多郎が思索にふけりながら散歩したことより、哲学の道となりました。


僕も「これからどうすれば良いのか?」


思索しながら散策しましたが、途中の石碑に答えが書いてあり、単純な僕としては納得してしまいました。


「人は人 吾はわれ也 とにかくに 吾行く道を 吾は行くなり」


 さあ南禅寺山門に着きました。頑張って歩いたのでお腹が空きましたね。ここでお昼を頂きましょうということで順正に立ち寄りました。湯豆腐で暖まったところでもう一息です。
 南禅寺から神宮道を円山公園に向かって歩けば、八坂神社は、もう目の前です。


八坂神社はちょうど かるた始め式 があり、ごった返していました。




 八坂神社は、八柱御子神をお祀りしています。八岐大蛇をやっつけた強い神様です。厄を追い払ってくれますので、皆様の病気平癒を祈願しました。八坂神社の一画に太田社があり天宇受売命が祀られています。芸事の神様です。私も芸(血管内手術)の向上を祈願しました。


 八坂神社から大混雑の四条通を河原町まで歩き、地下鉄に乗って京都駅に戻りました。
約17000歩、頑張りました。きっとご利益がありますよ。

2012年1月2日月曜日

お正月


みなさん、こんにちは

元旦はいかがお過ごしでしたか?

 今年は家族で集まって、新年を迎えられた方が多いんじゃないかな?と思います。やっぱり、絆の原点は家族ですものね。

 僕も山梨県北杜市、八ヶ岳南麓にある実家で新年を迎えました。昨日の夜には東京に戻りましたが、文化を守るという意味も込めて、故郷の年越し風景を紹介します。

 まず大晦日の夜です。年越し蕎麦は八ヶ岳南麓でも主役です。何といっても蕎麦は地元の特産品でもあります。”細く長く達者に暮らせる”という言い伝えがあります。確かに。現代人の過食気味の胃袋に、今年も一年お疲れ様でした、来年も宜しくお願いしますって感じですものね。

 蕎麦が主役なら、脇役はイワシです。冬から初春を迎える前夜、陰の象徴である鬼を追い払うため、イワシを焼くのだそうです。この匂いが強烈です。鬼ならずとも?僕も退散したくなる勢いです。昔は土間があり、隙間風ビュービューで、換気抜群だったから良かったけど、最近は気密性が向上したため、堪りません。が、これも風習です。単純に鰤が手に入らなかったからイワシの丸干しを食べたんでしょうけれど・・・魚は魚、貴重だったんですね、山里では。武士は食わねど高楊枝の精神が邪気払いのイワシに変化したんじゃないかというのが僕の推測です。そうこうしているうちに、大晦日の夜は更けていきます。

 元旦の朝は、若水を飲み邪気を払います。お雑煮は醤油ベースの吸い物仕立てです。具は白菜やニンジンそして大根に糸昆布。御餅と旬の野菜と乾物で出来ています。鰹節を食べる直前に振り掛けて、正月一番のごちそうです。



 写真は正月の間だけ設置される神棚“お正月さん”です。
 天井から吊るされているのは新巻き鮭です。家を出て行った家族が実家に新巻き鮭を送る風習があります。それを天井から吊るして飾り?保管します。部屋の中でも摂氏0℃位に冷えていますから十分室温で事足ります。海から遠く離れた八ヶ岳南麓において、魚は貴重だったんですね。吊るされた鮭が、家力の象徴となっています。



 これは、居間にある神棚(常設)と仏壇(奥)です。このほか太陽の神様(朝日が当たる縁側の柱に神棚が設置されている)、井戸、台所、便所などそれぞれに神がいて、それぞれに小さな鏡餅(お座りさんと呼ばれている)と松、それにおしんまい(紙垂(しで))をお供えします。もちろん1225日にはケーキも食べます。八ヶ岳南麓は宗教に寛容です。以上が八ヶ岳南麓の正月風景でした。

 今日は、恩師の自宅で新年恒例のHome party がありました。苦楽を共にした仲間が集い、奥様の手料理と楽しい会話で盛り上がりました。昔の仲間達は多方面で活躍中です。恩師の教えを基に、僕らも頑張ろうと気合いを入れてきました。



 そしてお昼過ぎの新幹線で、初詣のため京都に向かいました。写真は“のぞみ”から撮影した富士山です。青と白のコントラストがとても綺麗ですね。

2012年1月1日日曜日

新年明けましておめでとうございます

平成24年元旦 

明けましておめでとうございます。



 新年をいかがお迎えでしょうか。写真は、山梨県北杜(ホクト)市、八ヶ岳南麓にある実家の門です。


 昨年は東日本大震災とそれに伴う福島原子力発電所の事故、そしてギリシアの経済破綻、アラブの春(内戦)、タイの洪水などがありました。


 ご家族やご友人が、お亡くなりになったり、被災されたりして悲しい思いをされた方もいらっしゃると思います。亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、悲しい思いをされた方々に心よりお見舞い申し上げます。


 過去の歴史が物語るように、悪いことばかり続きません。きっと良いこともあるでしょう。ある意味、自然や経済に対する傍若無人への警鐘かもしれません。


Dragons feed on experiences. It becomes stronger and stronger over the years.”


 昨秋、国賓として来日したブータンのWangchuck国王が福島の子供達に語りかけた言葉です。ブータンの国旗には、今年の干支である龍が描かれています。


 


 龍は、力、威厳、高尚さを表します。龍は日本で言う”心“ですよね。経験は私たちを育ててくれます。たとえ辛いことがあっても、それを乗り越えるように大きく強く生きたいものですね。そこにこそ、明るい明日を拓く鍵があるはずです。


 そしてこのお正月に幸せについてもう一度考えてみたいと思います。


”幸せとは何か?”


 幸せは人それぞれ違うように自分の心の持ち方です。ブータンの”Gross National Happiness”に見習えば、自己啓蒙・自然環境保護・文化の保護と理解・良い統治です。これらが満たされたとき幸せを感じるのでしょうね。


 皆さんも是非、幸せについて考えてください。そして理想への第一歩、自分にできる行動を始めましょう。

 末筆にはなりましたが、皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。