2009年7月18日
第7回肝臓病研究会シンポジウムが開催されました。
Session 2 肝癌治療の現状と今後というセッションの中で「局所療法その後の治療戦略 -分子標的治療も含めて-」というタイトルで講演させて頂きました。局所療法、つまり切除やラジオ波焼灼療法で治療後どうするか?という話です。2つの方策があって1つは再発がんの治療、塞栓術や化学療法が相当します。もう一つは再発抑止です。肝癌の原因である肝炎をいかに沈静化させることに尽きます。その最強兵器がインターフェロンです。ラジオ波焼灼療法後、再発抑止を目的にインターフェロンを使用した患者さんを検討しました。するとインターフェロン治療が効いた患者さんは、時間はかかりますが有意に肝機能を改善させ、再発頻度が減り、長期生存できる傾向があることが判明しました。
初回治療を切除が良いかラジオ波焼灼療法が良いかという議論もありますが、生存はむしろ再発をいかに抑止するかにかかっていると思われます。C型慢性肝炎に対するインターフェロン治療の奏効率はおおよそ50%です。工夫と新薬(開発途上)の併用で、さらに奏効率が改善し、再発が抑止出来ることを願っています。
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