1月4日 水曜日 仕事始め
みなさん こんにちは
”がん難民をなくす” 私たちの、今年の、合言葉です。
現在、全てのがんは、ガイドラインが策定されています。当然、病気の進行や体力低下によって、ガイドラインから逸脱してしまう患者さんも少なからず存在します。
「標準的治療は、終わったと言われました。」
「標準的治療は、ありませんと言われました。」
外来で時々聞く台詞です。この標準的治療とは、ガイドラインで策定された治療ということです。一発完治するようながんであれば、お互いに苦労は少ないのですが、敵も然る者、しぶとく再発するんですね。その結果として、病気が進んだり、体力が低下して、ガイドラインで策定した治療が出来なくなってしまうんですね。
もし僕自身ががんを患っているとして、「標準的治療はありません」と言われたらどうでしょう?
「あとは自宅に居て、具合が悪くなったらホスピスはいかがですか?」と言われたらどうでしょうか?
言葉ではわかっていますが、落ち込みますよね。
困ったときこそ、病院が頼りにならなくてどうしますか?
例えば、僕が専門としている肝臓がんの場合、多くの患者さんは肝機能の低下も伴っています。ですから、ガンだけじゃなくて、肝機能をいかに維持しながら、がん治療を行うか、というところにポイントがあります。
肝機能を維持するためには、ガンがあることはわかっていても、がん治療を一時お休みすることもあります。今までの経験から、ガンもさることながら、肝機能が残りの時間を決めてしまうことが解かっているからです。
結局、最終的な目標は何でしょうか?
”ぼちぼち元気で長生き” だと、僕は思います。
もちろん、病気が進行していれば、残された時間が短いことは、残念ながら確かでしょう。しかし、短いからこそ、その間、ぼちぼち元気で いて欲しいのです。そして、少しでも 長生き して欲しいと思うのです。
たとえ 標準的治療法 が無くても、諦める必要も無ければ落ち込む必要も無いのです。むしろ 呪縛から開放された と思ってもいいんじゃないかと思うぐらいです。
だから、「標準的治療法が無い」とか「終わった」と言われ、路頭に迷った患者さん達(いわゆるがん難民)を救いたいのです。
幸いにも去年から、消化管担当で杉本貴史先生、胆膵担当で八島陽子先生、そして腫瘍内科には河野勤先生がサポートしてくれます。
私たちも頑張ります。患者さんを決して一人にさせないから、一緒に頑張りましょうね。
写真はそんな気持ちで、皆で詣でた 神田明神 です。
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