2014年2月16日日曜日

記録的大雪! 

みなさん こんにちは。
いかがお過ごしですか?

先週末の大雪、特に山梨のみなさん、お見舞い申し上げます。

自然災害は、神(広い意味での)が私たちに与えてくれた試練ですが、考える好機でもあります。

どのように備えて暮らしていけばいいのか?

利便性に溺れきった自分を見直す好機となりました。




先日の土曜日は、地元の甲陽病院外来日でした。内科の常勤医は居ません。そのためお手伝いに伺っています(代役はいません)。

実家両親も心配ですので、大雪予報にもめげず山梨行きを決行しました。
スーパーあずさの車中で、高校の同級生と偶然再会し、車内は雪見酒で居酒屋状態です。つもる話しに花が咲きました。気が付くと3時間以上遅れて甲府駅に着きましたが、あっという間でした。


友人と甲府駅で別れ、雪で発車待ちの間、
冷気を浴びて酔い醒ましです。
(大雪の中、甲府駅でしばし休憩するあずさ号
これが乗り納めになるとは・・・)

 甲府駅でしばらく運転を見合わせていましたが、暫くして出発しました。友人と別れ車窓を見ると凄い勢いで雪が降っています。


外はすごい吹雪です。車窓が凍りついています。

何とか、小淵沢駅に到着しました。幸いにもタクシーが動いていたので、実家まで帰れました。
こんな寒い日は、熱燗と甲州名物 ほうとう です。


うちの ほうとう です。
各家庭でレシピが異なります。

 静寂に包まれた夜は更けていきました。この間にも雪が降り続いています。


庭の外灯に浮かび上がる
ホワイトモンスターたち

2月15日土曜日

 だんだん明るくなるにつれて、雪の猛威が現実のものとして見えてきました。


江戸時代の家が良く踏ん張っています。


甲府は114cmとのことですが、
明らかにそれより高く積もっています。

朝4時に起きて、生活路を確保(雪掻き)しました.。今回帰省の一つ目の目的クリアです。それにしても雪を捨てる場所がありません。僕の身長ほどの雪壁に積んでいきます。ヘタなジムに行くよりもいい運動になります。


実感しにくいでしょうが、雪壁と雪壁の間が通路です。
もっと拡張したいのですが、雪捨て場がありません。



自宅横にあるポストを掘り出し
投函できるようにしました。
回収してくれるかは別ですが・・・

 さあ、実家の雪かきも終了です。次のミッション、甲陽病院です。交通手段は徒歩しかありません。片道5km 雪中行軍です。


まだ雪は降っています。道なき道を進みます。
東山魁夷の絵みたいな風景です。


現代版 笠地蔵ならぬ販売機。
雪の高さが実感できますね。


病院に着きました・・・が、雪で埋もれています。


そこに救急車到着。病院に横付けできません。そのまま救急車内で診療。患者さんは、若い男性です。雪で立ち往生した車の中で、寝ていたら気分が悪くなったとのこと。積もった雪で、排気管が埋もれ、車内に排気ガスが充満した一酸化炭素中毒です。もう少し発見が遅かったら亡くなってしまったかもしれません。

雪でストレッチャーは使えないので、救急隊と担架で搬送しました。無事に入院させることができました。患者さんも落ち着いたので、病院の雪かきです。地元の消防団も手伝ってくれています。


地元の消防団(ボランティア)
旧長坂町の法被が健在です。


病院の前に埋もれているのが、
患者さん送迎用バスです。

今日は患者さんが来たくても来られません。来週のために病院正面玄関の雪かきを手伝いました。

 さあお昼になりました。東京に帰るべく、最寄駅である長坂駅に徒歩で向かいます。この時点でまだテレビを見ていなかったので、何の情報も知りませんでした。昨晩あずさが走っていたので、特急は無理にしても、普通列車はかろうじて動いているだろうと・・・

長坂駅はシャッターが下りていました。それでもホームに降りてみると・・・


ホームとホームの間に、食パンのように膨れ上がった雪!ホームより高いです。隣のホームまで跨線橋は不要、雪上を歩いて渡れる状態です。こりゃダメだ!!帰れない!!

諦めて実家まで、5kmの雪道を戻りました。実家に着いてニュースをみてビックリ仰天です。甲府が、山梨が凄いことになっている。まさに陸の孤島です。交通網は全て寸断、国道20号(甲州街道)を含め、幹線道路に車が立ち往生してマヒ状態です。電車も東は高尾まで、西は塩尻まで、小海線は向う1週間は不通だと。絶望的です。あの雪です。一週間は動かないでしょう。


2月16日 日曜日

早朝4時に起きて、車庫から車道(県道)まで、何とか車が出るように雪かきをしておきました。JR東日本の列車運行情報をみると東は相変わらず高尾までですが、西は茅野まで開通しています。長野駅まで普通電車が動いていそうです。長野駅に出れば、新幹線で何とか帰れそうです。問題は、茅野駅までの交通手段です。国道すら通行止め、車(タクシーも含め)は不可能です。googleでで調べると、実家(山梨県北杜市長坂町)から茅野駅までは30kmほどです。


地図上はまっすぐ一本線。最短距離に見えます。

30kmならマラソン以下だし、時速4kmで歩き続ければ、7-8時間で到着するはずです。夕方までには着くでしょうと、見込みました。

防寒服に着替え、リュックに必要最低限の荷物を詰め込みます。途中何があるかわからないので、懐中電灯と2食分の握り飯、ペットボトルに、糖分補給用のチョコレート。準備万端です。あとは自分の足を信じるしかありません。

さあ、出発です。7時50分ぐらいに家を出発しました。携帯電話は非常手段なので無駄に電池を使えません。電源はoffにして歩きました。本当はもっと写真を撮りたかったんですが・・・


はるか遠くに富士山が見えます。
雪原に青空、小淵沢あたりの風景です。
まだ風景を眺める余裕があります。実家より5km位。


この辺は楽勝です。車も走れそうです。
国道20号方面への案内板が頼もしいです。



小淵沢から国道20号(甲州街道)に向かう通称 八ヶ岳高原ライン。中央高速の通行止めによって流れてきた車が、立ち往生したまま放置されています。既に大雪から丸1日経過していますが、未だに除雪作業は進まず、この先に大型トラックが何台も止まっていました。トラックの運転手さんは残っていましたが、どうやって生活しているんでしょう?あと数日はこのままだと思います。大型トラックと雪壁の間を何とかくぐりぬけます。やはり徒歩以外の交通手段はないです。


甲州街道に出ました。蔦木宿の本陣跡です。
いつの日か、旧甲州街道を歩いてみたいと思っていましたが、
まさか雪路を歩くとは・・・
実家から約10km経過



甲州街道は完全にマヒしています。
通行止めですから、全く動いていません。
車は東京方面、僕は長野方面に向かっています。
歩行者は通行可能です!

ここから釜無川沿いを、吹き抜ける北風に向かいながら、単独歩行です。しかもこの先は富士見峠。北風とだらだら続く上り坂が行く手を阻みます。歩き続ければ茅野駅に電車が待っている。東京に帰れる。その一心で歩きます。富士見峠を超え、しばらくすると中央本線が見えてきました。方向も間違いありません。歩き続けるだけです。


立ち往生したトラックや車を横目に
てくてく歩きます。
やっと茅野市に入りました。


はるか向こうではありますが、
視界がひらけ、諏訪盆地が見えてきました。
ゴールはもう少しです。


お疲れ様でした。やっとの思いで茅野駅到着。
何とかなるもんです。約30km 約7時間の道程でした。

14:40に到着しました。



非情にも、電車は14:31に発車してしまいました。次は16:08発の松本行きまでありません。ホームのベンチで日向ぼっこをすることにしました。やっと長靴から解放されます。踵とつま先が限界に近づいていましたから。足を伸ばして、リュックから握り飯を取り出ししばし休憩です。まだ何が起こるか予測不可能ですから、もう一食分は残しておきました。

折り返しの普通列車が入線してきました。電車は暖かい!比較的すいてたのでボックス席に座って足を伸ばします。電車は茅野駅を定刻の16:08に発車しました。心地よいモーター音を響かせながらグングン進みます。電車ってこんなに早かったけ?大雪の諏訪湖畔を駆け抜け、あっという間に16:57松本駅に到着です。ここで長野行きの普通列車に乗り換えです。17:34に松本駅を発車した長野行きは、途中一旦停止してバックし始めました。うわっ、こんな山の中で立ち往生か?と思ったら、スイッチバック駅です。そうでした、篠ノ井線には未だにスイッチバック駅が健在しているんです。無事18:49に長野駅に到着しました。後は最終の新幹線で座ってビール飲んで帰れば・・・と思ったのですが。


駅にあふれる人人人

なんだっ?どうやら除雪が追い付かず新幹線は運転見合わせ。つい先ほど運転再開したとのことで、スキーシーズンの日曜日夕方という最悪の時間も重なり、とんでもない混みようです。自由席しかありません。何とか切符を手に入れ人込みの中に。ビールはとても無理です。ここまで来て、今日帰れるかわからなくなってしまいました。情報は錯綜して駅員さんも混乱しています。列もあってないような状態になってきました。奇跡的に20::20の臨時あさま号に乗りこめました。これで東京にやっと帰れます。22:45頃上野駅にたどり着きました。東京には日常の夜がありました。タクシーも並んでいます(もちろんタクシーが)。自宅には23:00に着きました。

僕は通常業務に戻れましたが、山梨はとんでもないことになっています。ニュースは冬季オリンピックばっかりですが、今回の情報不足は身に染みました。富士見町や茅野市では携帯電話にエリアメールが飛んできて、情報を流してくれました。携帯端末を地方自治、特に安全・安心そして医療への活用が急務と思われました。



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