前回の続きで、現在の中国、広西チワン族自治区の竜江河に戻ります。
竜江に中和剤が蒔かれています
「当局は中和剤の投入によるカドミウムの凝固を行っています。」と、ニュースが流れていました。
『ん?カドミウムの中和?そんなこと出来るの?』って、思い、調べました。
中和とは、酸と塩基が反応してそれぞれの性質を打ち消す反応のことです。では、カドミウムを中和剤で処理する方法の紹介です。
河に大量に投げ込まれている 黄色い粉末 これは、ポリ塩化アルミニウム(酸性)です。そして次に投げ込まれるのが石灰(アルカリ)です。ポリ塩化アルミニウムを、石灰で中和することによって、水酸化アルミニウムの沈殿物ができます。
この水酸化アルミニウムが出来る過程で、水中にある泥や金属(今回の場合カドミウム)が、取り込まれ、水酸化ナトリウムに包まれるようにして 沈殿 します。結果として、河の水(上澄み)は、きれいになるんです。
なるほど・・・。中和反応を利用した、浄水方法だったんですね。ニュースもよく読むと中和剤による凝固と書いてあります。納得できました。
当局も、一生懸命対処しているのでしょう。頑張って欲しいし、非難するつもりは毛頭ありません。恐らく、今出来るベストでしょう。
心配なのは、今後です。ご存知のように、中国はユーラシア大陸の大国です。広大な土地を河川はゆっくり流れ、流域の住民の生活(水や農作物)を支えています。一方、火山列島日本の河川は、急流で流域面積は、比較的狭いことが特徴です。
広大な流域を持ち、多くの人々を支える大河の上流で、今回のようなアクシデントがあると、大変なことになってしまいます。特に、大陸(内陸)の河川であれば、なおさらです。上水中のカドミウム測定や水田の土壌中カドミウム濃度が、今後とも測定されることでしょう。
かつての日本がそうであった様に、環境を疎かにして、経済至上主義だけで突っ走ると、とんでもないことになることは明らかです。
私たちも、下水に流すとき、環境に負担を掛けないか?考えるべきでしょう。
いろいろな教訓があった出来事でした。
さて、話題を日本の豪雪地帯に移します。続きはまた今度ね。
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