いかがお過ごしですか?
これ、なんだかわかりますか?
今、西アフリカで猛威を振るっている”エボラ出血熱ウイルス” です。
1976年に最初に発見されました。感染すると細胞のたんぱく質を溶かし(タダレ)てしまい、致死率が非常に高い ことが知られています。
ウイルスは、自分だけでは仲間を増やせません。ヒトなど他の生物に感染して、その生物を利用して仲間を増やします。
ところが、エボラ出血熱ウイルスは、その致死率の高さから、感染者が他人に感染させる前に死んでしまっていたため、以前は蔓延しにくかったんです。実際、アフリカ大陸で過去10回、突発的に発生・流行し、かってに終息(皆殺しして終わり)しています。
症状は高熱、倦怠感、出血を伴う発疹、全身痛です。体に付着した血液など体液を介して他人に移ります。
どこの国も愛する家族がなくなれば、遺体にすがると思うのですが、同じ集落の人々も、遺体に触って別れを告げる風習が、ウイルスを患者(遺体)から新たな宿主(他のヒト)に感染を広げていきます。
今年の2月頃から、今回のブレイクが発生し、先ほどお話したように猛威を振るっています。
場所は西アフリカ北部です。
拡大すると
今年の3月に、WHOのホームページで、
Epidemic & Pandemic Alert and Response として紹介されました。
その時の患者発生マップです。
ギニアの南東部の森林地帯で発生した今回の感染は、隣国のセラレオネ、リベリアに拡がって、パンデミックを起こしました。
コウモリの狩猟で生活していたギニアのゲケドゥ県周辺のある村の一族から広がりました。森林地帯のこの地域ではコウモリが蛋白源として食べられています。
コウモリがかつてのエボラ出血熱の発生地であった中央アフリカのコンゴやルワンダといった地域から、西アフリカにウイルスを運んだと思われます。
ウマズラコウモリを介して狩猟民族に感染したとことが、今回のパンデミックのきっかけです。
コウモリがかつてのエボラ出血熱の発生地であった中央アフリカのコンゴやルワンダといった地域から、西アフリカにウイルスを運んだと思われます。
ウマズラコウモリを介して狩猟民族に感染したとことが、今回のパンデミックのきっかけです。
ウマズラコウモリ
見やすくするため天地逆ですが、確かにウマズラですよね。
アフリカ大陸といえども、昔と比較して住民の往来が激しいため(現代化の波)、感染が広範囲に蔓延したと考えられています。
感染の終息に向けたプログラムの実行と、患者の治療のためWHOや国境なき医師団が現地入りしています。
感染の疑われる患者を治療施設に受け入れるスタッフ(シエラレオネ・カイラフン)
エボラ出血熱はウイルス疾患で、未だ抗ウイルス薬も開発されず、ワクチンは動物実験段階とのことです。
今回のパンデミックで、死亡者は700人を超え、医療従事者も60人以上が犠牲となっています。
シエラレオネで医療チームを率いていた国民的英雄と称されているシェイク・ウマル・カーン医師(39歳)も感染により犠牲となりました。
一緒に考えましょう。
エボラ出血熱はウイルス疾患で、未だ抗ウイルス薬も開発されず、ワクチンは動物実験段階とのことです。
今回のパンデミックで、死亡者は700人を超え、医療従事者も60人以上が犠牲となっています。
シエラレオネで医療チームを率いていた国民的英雄と称されているシェイク・ウマル・カーン医師(39歳)も感染により犠牲となりました。
Dr.Sheik Umar Khan
アメリカ人スタッフも二人感染し、チャーター機で本国に帰還し、隔離病棟で治療中とのことです。
ウイルスは患者(エボラ出血熱に感染し発症したアメリカ人スタッフ)と共に、アメリカ本土に上陸 しました。
今回のパンデミックの地は、シエラレオネ・ギニア・リベリアですが、なんとエボラ出血熱に感染し発症したリベリア人が、一般の乗客として、飛行機で移動し、ナイジェリア空港で力尽き倒れたそうです。
ウイルスはナイジェリアに、感染患者によって運ばれました。
以前は、コンゴもしくはウガンダの小さな集落で発生してはその都度、終息していました。少数部落で人々の移動が無かったため、ある意味、抑え込めていたわけです。
現代社会で治療法のない、強力な感染力と致死力を併せ持つウイルス の パンデミック を抑え込む難しさ に我々は直面しています。
ナイジェリアからさらに拡散しないことを祈るばかりです。
エボラは致死率が90%にも達するため、病名がすぐに "死" のイメージと結びついてしまいます。それが人びとの不安を大きくかき立てています。
一部の住民は、エボラを 「魔術のようなもの」 と考えています。
現地入りした国境なき医師団によると、うわさや疑念、外部からの侵入者に対する敵対心が根強く、人々は孤立し、怯えているとのことです。このため医師団の活動もスムーズにいかないようです。
さらに入院は 「死の宣告」 と考えられ、数十人の患者が匿われているとみられていて、疫学調査や隔離を困難にさせています。
ウイルスに対する特効薬がない以上、 いかに感染を制御するか です。
人類の英知が勝つかウイルスの強(したた)かさが勝つか まさにせめぎ合いが続いています。
克服するためには、①正しい知識を如何に住民に理解させるか ②如何に患者を隔離して蔓延を防ぐか の二点に尽きます。
対岸の火事ではありません。人類の存在に関わる問題 です。一緒に考えましょう。
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