2010年10月18日月曜日

ILCA その1


9月9日木曜日 International Liver Cancer Association 2010 国際肝がん学会が、カナダのモントリオールで開催されました。

 世界中から、肝がんを専門とした医師や研究者が集まって討論する会議です。僕は動注化学療法について演題を応募しました。

 前にも書いたかもしれませんが、動注化学療法は海外では全く普及していません。

何故かと言うと大きく分けて二つの要因があります。一つは、手技が煩雑(慣れればたいしたこと無いのですが・・)で海外の先生が真似できない。もう一つ、実はこれが最も大事なのですが効くというエビデンス(証拠)が無いと(海外の先生は)いうのです。私達も論文を出しているんですけどね・・

ですから、何で日本人は動注なんてやっているんだ、理解できない。と言うのが海外の常識です。

 特にILCAを仕切っているスペイン・バルセロナ大学のJordi Bruix(ブリューシュ)先生らが声を大にして言っているのみならず、日本の肝癌診療ガイドラインにもケチをつけてくるから困るんです。

 だったら、学会で発表してやるよっ!って大和魂に火がついたわけです。動注も上手くやれば(対象とやり方、引き際を誤らなければね)効くんです。

 本邦の動注化学療法の成績を海外で、しかもBruix先生のお膝元ILCAで発表しなければ・・・

 宿命の対決です(ちょっと大袈裟?)。

 今年のmeetingは、約400題の演題応募があり、そのうち35題が口演に選ばれます。幸か不幸か、口演に選ばれました。よーし、選んでくれてありがとう、敵ながら殊勝な心掛けよのう って感じでしょうか。

 唯一の不安は、いつも海外の学会では、殿がいてくれたのですが、今回は私一人です。頑張るしかありません。

「いいかっ、英語が下手なんだから、スライドにしゃべらすんだ。あと聴衆に見ていただくんだから大きい字で解かり易く、飛び込んでくるスライドを作らないと、みんな寝ちゃうぞっ」

殿の声が聞こえてきそうです。スライドを作り、発表の練習もしました。

いつもの空港内すし屋で景気をつけて、いざ出陣です。

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