2014年6月30日月曜日

プロテアーゼ阻害剤+NS5A阻害剤 (アスナプレビル+ダクラタスビル)、やるなら検査を!

みなさん、こんにちは!
いかがお過ごしですか?

今日は、C型肝炎に対する飲み薬のお話の続きです。以前のお話のおさらいと新しい検査のお話です。

”C型肝炎ウイルスに直接作用する薬剤” は、3種類です。全て飲み薬です。

① プロテアーゼ阻害剤 テラプレビルやシメプレビル、アスナプレビルです。
② NS5A阻害剤 ダクラタスビルやレディパスビルです。
③ NS5B阻害剤 ソフォスブビルです。

             

C型肝炎ウイルスは、”遺伝子(設計図)” とそれを包む ”殻” で出来ています。

 C型肝炎ウイルスに直接作用する薬剤は3種類って先ほど言いましたよね。①と②、つまり プロテアーゼ阻害薬 と NS5A阻害薬 は、ウイルスの殻に作用します。

 そして③ NS5B阻害薬、これが画期的なのですが、遺伝子に直接作用するんです。設計図を壊されるんでウイルスは一溜りもありません。

 近日中に、プロテアーゼ阻害剤+NS5A阻害剤 (アスナプレビル+ダクラタスビル)、

さらにはNS5A阻害剤+NS5B阻害剤 (レディパスビル+ソフォスブビル)が登場する予定です。

 いつもながら肝炎領域は次に良い薬があるのが分かっていながら、小出しにするんですよね。

”殻” に作用 するタイプのお薬、つまり ①プロテアーゼ阻害薬 と ②NS5A阻害薬 は、耐性の問題 を抱えています。

耐性は、ウイルスの変異(変身)です。仮面ライダーのように変身すると ”無敵な強さ” を持ってしまいます。

               

耐性(変異)には二種類あります。
もともと獲得 初めから変異(変身)しているもの 
新たに獲得 薬剤によって変異(変身)してしまったもの

特に ”殻”に作用するタイプの NS5A阻害剤 に対する耐性について、①もともと獲得 している患者さんが10-20%程度いると言われています。


この患者さん達には、プロテアーゼ阻害剤+NS5A阻害剤 (アスナプレビル+ダクラタスビル)を使ってはいけないのです。

なぜなら効かないばかりでなく ②新たに耐性を獲得 してしまい、以後ウイルス駆除の道が閉ざされてしまいます

ウイルスの耐性について、今まで一般的には調べることが出来ませんでした。これが最大の問題でした。

この度、BMLという検査会社が、C型肝炎に対する変異(耐性)を調べる検査を開始 しました。

保険認可されていないので自費ですが、プロテアーゼ阻害剤+NS5A阻害剤 (アスナプレビル+ダクラタスビル) の治療を予定されている患者さんは、必ず検査すべきだと思います。


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