みなさん、こんにちは。
いかがお過ごしですか?
五月も中旬になると、春から初夏という陽気になりますね。
本日の甲府地方気象台発表によりますと甲府市の最高気温は31℃でした。ただし湿度は29%で風速も3m/sほど。爽やかな一日でした。
毎週火曜日は、山梨県立中央病院 で外来診療を行っています。
肝臓がんの患者さんを中心に診させて頂いています。そんな外来の出来事から皆さんのお役に立てそうなお話をしますね。(ガンちゃん先生を見習って頑張ります)
本日、はじめて外来を受診した患者さんです。
74歳の女性Aさんです。保育園に勤められていましたが、定年後ボランティアで活躍している元気いっぱいっていう印象です。40歳で子宮筋腫の手術をした際、輸血したとのことでした。
そんなAさん、肝臓に腫瘍があるということです。
血液検査の結果をみますと、肝機能は比較的保たれていますが、GPT (ALT)は70ぐらいに上昇、血小板数は5万まで低下していました。
「私、注射が嫌いなんです。C型肝炎っていうことは分かっていたんですけど・・・食事とか気を付けて、無理しないようにしていればいいんじゃないかって思っていました。」
「年に1回、健診を受けていたんですが、今回ひっかかちゃって・・・」
「肝臓に腫瘍があるから、大きなところで診てもらうようにって言われたんです。」
幸いにも、腫瘍はまだ小さく1cmほどで、しかも一つだけでした。
Aさんに、C型慢性肝炎の程度と発がんの関係を説明して、定期観察の必要性を理解してもらいました。
「Aさん、C型肝炎にも程度(病気のおもさ)があるんですよ、皆、同じじゃぁないんですね。何によって程度が決まるかというと、肝臓の硬さなんです。」
「これを見てください。これはヒトの肝臓を顕微鏡で見た写真です。例えが悪いですが、肝臓はスーパーで売っているレバーそのものです。本来、赤くて、ツルってしていますよね。」
「3枚の顕微鏡写真を上から下に見ていくと、何か気が付きませんか?」
「下に行くにしたがって、黒い筋(スジ)が入って、ゴツゴツしてきますよね。そうです、このスジが肝臓の硬さを決めているんです。」
「職人さんの手は硬いですよね、毎日刺激(炎症)を受けることによって、皮膚に筋が入って硬くなるからです。肝臓も同じで、ずっと炎症が続くと肝組織に筋が入って硬くなるんです。」
「だから筋の入り具合(硬さ)で、C型肝炎の程度(病気の重さ)は決まるんですね。」
⇒C型肝炎の程度と発がんの関係は明日に続きます。
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