2014年5月29日木曜日

C型肝炎治療の新たな幕開け その1

みなさん、こんにちは!
いかがお過ごしですか?

5月29日と30日の2日間にわたり、第50回日本肝臓学会総会 が開催されています。


 今回の目玉は、シンポジウム1 ”C型肝炎に対するDirect-acting Antiviral Agent (DAA) を用いた治療戦略” だと思います。

特設会場には、新しい治療の効果に興味を持つ1000人以上の聴衆が集まり、熱気に包まれていました。



DAAというのは直接作用型の抗ウイルス薬を意味します。

従来使われているインターフェロンは、「体の免疫力を高め、間接的にウイルスを殺す」薬剤で、直接C型肝炎ウイルスに作用している訳ではないんです。

 この数年、”C型肝炎ウイルスに直接作用する薬剤” の開発に目覚ましい進歩がありました。

”C型肝炎ウイルスに直接作用する薬剤” は、3種類です。全て飲み薬です。

① プロテアーゼ阻害剤 テラプレビルやシメプレビル、アスナプレビルです。
② NS5A阻害剤 ダクラタスビルやレディパスビルです。
③ NS5B阻害剤 ソフォスブビルです。

○○ビル、△△ビルと語尾が全てビルで、地ビールみたいですね。


C型肝炎ウイルスは、”遺伝子(設計図)” とそれを包む ”殻” で出来ています。

 C型肝炎ウイルスに直接作用する薬剤は3種類って先ほど言いましたよね。①と②、つまり プロテアーゼ阻害薬 と NS5A阻害薬 は、ウイルスの殻に作用します。

 そして③ NS5B阻害薬、これが画期的なのですが、遺伝子に直接作用するんです。設計図を壊されるんでウイルスは一溜りもないですよね。

現在、行われている三剤併用療法というのは、インターフェロン+リバビリン+プロテアーゼ阻害剤の組み合わせです。

将来的には、プロテアーゼ阻害剤+NS5A阻害剤 (アスナプレビル+ダクラタスビル)、さらにはNS5A阻害剤+NS5B阻害剤 (レディパスビル+ソフォスブビル)が登場する予定です。

インターフェロンを用いない飲み薬だけの治療時代が幕を開けようとしています。

続きはまた明日ね

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