2014年5月16日金曜日

クルズス

みなさん、こんにちは。
いかがお過ごしですか?

 今日は 帝京大学ちば総合医療センター で学生の講義を行いました。

 医学部はご存知のように6年制です。1,2年生は教養、3年生は基礎医学、4年生は臨床医学、5年生は病院実習、6年生はまとめ、というのが、大きな流れです。


 房総半島の内側、市原市にあります。病院は山の上にあり見晴良好です。

5年生に対するプライマリー・ケア実習の一環として、90分の講習(ドイツ語でクルズス Kursus といいます)を担当しています。

 プライマリー・ケアというのは、患者さんの抱える問題に対して、継続的なパートナーシップを築き、家族及び地域という枠組みの中で責任を持って診療する臨床医によって提供される、総合性と受診のしやすさを特徴とするヘルスケアサービスであると定義されています。

プライマリー・ケアは、欧米では家庭医が担当しています。日本ではまだ大病院志向であったり(大きいところが結局安心と思うのか)、そこで行われている細分化された医療が行われています。

プライマリ・ケアの五本柱は・・・






 これらを実践する終局的な目標は、地域での疾病予防や重症化防止に重点を置き、無駄な医療費を抑えることです。例えば高血圧、高脂血症、糖尿病をきちんとコントロールすれば、心血管系の病気のリスクを大幅に減らすことができます。

 家庭医療が充実することで、いつでも”頼れる”という安心感、医療への信頼感が強まり、地域の健康意識が向上します。結果的に無駄な検査や投薬も減り、必要なところに集中して医療費を投入できるので、国全体の医療の質が向上すると思われます。

 実際、日本では高齢化と核家族化、さらに地域の連帯が薄れていおり、今後プライマリ・ケアの実践はますます重要になってきます。

 講習では、プライマリー・ケアの実践に役立つ超音波検査の実習と、そもそも医師にならなければプライマリー・ケアの実践は不可能(笑)なので、国試対策術も教えています。




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