2014年1月26日日曜日

インフォームド・コンセントとムンテラ

みなさん こんにちは
いかが お過ごしですか?

 さて、今日は"I. C."について、お話をしましょう。


 別に僕の考え方を押し付けるつもりは毛頭ないので、そうは思わないよっ ていう人がいてもいいんです。だから世の中面白いわけで・・・


"I. C."って言葉聞いたことありますか?


 病院で、最近、う~ん、この10年ぐらいかな?(少なくとも僕が医者になった頃は説明とムンテラでした)欧米から日本に入ってきた言葉です。「先生っ! ○○さんが、IC希望していますよ」ってな感じで使われますが、これは誤解だと思うんですよね。"I. C."は、informed consent の略語です。




"I.C."とは、直訳すれば、正しい情報を得た上での合意っていう意味です。特に医療行為(検査や手術など)を受ける際は、利点や欠点(合併症など)良く説明を聞いてから、検査や治療に納得してもらうわけです。当然、手術など治療の根幹にかかってくる内容であれば、一人の先生だけではなく、他の先生の意見も聞いた方が良い場合もあるでしょう(これはセカンド・オピニオンって呼ばれています)。


 正しい情報を得た上で、検査や治療を受けるのも、受けないのも、患者さんの自由ってことになっています。まあ、いかにも米国(ギスギスした訴訟社会)らしい考え方ですが・・・




 この"I.C."っていう言葉 だけが一人歩きして、全てが"I.C."で片付けられるのが納得できないんですよね。僕は。


 例えば検査とかであれば、I.C.で良いと思うんです。でも、病気についてはどうでしょう?


誰もがなりたくて病気になった訳ではありません。「何で僕が?」 「なんで私が?」当然の思いだと、思います。病気は全て治るわけではありません。治らない病気にかかったら、なおさらでしょう。


僕が病気になったら、病気を受け入れられるかなぁ?って思っちゃうんです。たぶん無理だろうなぁって・・・。


 自分が出来ないことを、人に押し付けたくないんです。だから病気そのものや、病状については、I.C.っていう言葉はフィット(合わない)しないんです。僕だったら、いくら説明されても、同意できないでしょう(ひねくれていて、すいません)。ですから、ここで必要な言葉が”ムンテラ”なんです。


 ムンテラとは、ムント・テラピーの略語です。ドイツ語で口のことをムント、テラピーは治療ですね。

旭中央病院時代の恩師である浅田学先生が教えてくれました。「小尾サン、知ってるかぁ?ムンテラってどういう意味か。」「ムント・テラピーだよ。ちゃんと言葉で治すんだよ。」っておっしゃっていました。

 病気になったとき、「何で俺が・・・」ってなった時、仕方なく、病気を受け入れなければならないんだと思います。とても納得はできない、でも仕方がない・・・そんな感覚でしょうか?仕方がないながら受け止める。そうしないと前に進まないから・・・。そのお手伝いが”ムンテラ”だと僕は思います。

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